帰国子女受け入れ校の特性から見る傾向


日本ではどのような学校が帰国生の受け入れを行っていますか。

公立小学校・中学校では、どこも帰国生を受け入れています。要請があれば、帰国生向けの日本語教室の開催や講師の派遣などが行われていますが、現在は帰国生よりも外国人のための教育に重点が置かれて、こうした取り組みの対象は外国籍の児童・生徒が多くを占めています。

 

帰国生の受け入れを行う国立・私立小中高等学校には、大きく分けて、

①帰国生の受け入れを主たる目的として設置された学校、

②帰国生の受け入れ枠や受け入れ体制を持つ学校、

③入試の際に特別な配慮を行う学校

があります。海外歴が長く、日本語での授業に不安を抱える帰国生にとって、①、②の学校は同じ境遇の帰国生が多く在籍し、友人もできやすいので心の安定につながります。③の学校は試験科目を考慮したり、英語力のある生徒を優遇するなどしていますが、そのほかの面においては、帰国生向けの特別な授業や指導はほとんど行っていませんので、個別に相談したり、家庭で補習を行う必要が出てきます。

 

 

日本での入試の準備はいつ始めるのが適当ですか。

海外では、現地の学習も日本の学習も中途半端にならないよう、まずは現地の学校での学習に力を入れましょう。帰国時期が決まっている場合は、志望校の入試の過去問題集を取り寄せてみるのも有効です。また入試面接や作文で海外生活の様子を問われますので、その準備もなさると良いでしょう。

 

 

日本の学校に進学するために、海外にいる間にできる勉強法について教えてください。

海外では日本語を目にしたり、使用する絶対量が少なくなります。幼児や小学校低学年は、親が本の読み聞かせをしたり、たくさん話し掛けるなどして、母国語としての日本語の定着を心掛けることが大切です。

 

小学校高学年以上では、日本の教科書や、通信教育で毎日学習すると良いでしょう。親子で交換日記をしたり、手紙を書かせるなどして、漢字を読めるだけではなく書けるようにするのも大切です。

 

中高生になると海外の現地校での勉強で手一杯となり、日本の学校向けの勉強をする時間が取れなくなる場合もありますが、日本語の本を読む、日本の教科書を毎日少しずつでも音読するなど、無理のない範囲で活字に触れるようにしてください。漫画も漢字にルビが振ってあるので日本語学習に効果的です。

 

最後に大事なこととして、多くの日本の学校が帰国生を評価する点は、実は現地での学習実績や体験です。現地の学習を決しておろそかにしないでください。帰国後、足りない日本語や日本の学習は、時間をかければ必ず習得できます。

 

出典: 帰国後の生活に関するQ&A

 

 


帰国子女受け入れ校は日本全国色々な箇所に設定されています。教育的な配慮を行ってくれるというメリットがあり、入学時の試験にも多くの配慮がなされている場合があります。

 

しかし、どの学校も同じようなスタンスで試験を行うのではなく、それぞれに独自性を持っているというのも特徴です。つまり、こうした特徴を踏まえたうえで対策を立てることができるようになれば、一般的な受験よりも負担が少なくすることができるようになります。

 

帰国子女受け入れ校は、インターネットや教育関連の資料を調べることによって、簡単に地域の状況がわかるようになります。色々な環境で生活してきた子どもにとって、新たな環境には多くの不安があります。しかし、帰国子女受け入れ校としては、早期に子どもが環境になれるような配慮を行っているからこそ、負担が少ないというメリットがあります。

 

何も帰国子女に対する配慮がない環境と比較すると、子どもが活き活きと過ごせる度合いは明確な違いがあります。

 

安心して教育を受けることができるようになれば、子どもが学ぶ意欲もどんどん向上します。精力的に活動することができると、保護者の安心も大きくなります。子どもが自主的に学ぶ姿勢を手に入れることによって、苦手分野の補強にも時間を割くことができるようになります。

 

弱点の追求は試験を行いながら目星をつけるのが有効です。定期テストでも十分把握できる分野はあるものの、実力を調べるには色々な分野が網羅されているような形式のものが最適です。学習塾などの入室テストで用いられているものが魅力的です。

 

今後の生活にも大きく影響する学校生活を占うためにも、帰国子女受け入れ校の選定からその後の学習スタンスに至るまで、環境的な要素を保護者を中心に把握しておくことは、子どもの苦労を軽減する役目を果たします。

 

英語に特化した試験内容のところもあれば、国語や算数、英語など、いくつかの教科を評価基準としているところ、とにかく人間性を重んじているところなど、帰国子女受け入れ校といっても多種多様のスタイルで子どもを受け入れています。

 

目標とする学校がどのようなスタンスになっているかを確認することによって、照準を絞った対策が完成します。それを実行することによって、着実に新たな教育環境への道が開けるからこそ、妥協することなく新たな教育環境に飛び込むことがお勧めされているのです。それが、今後の人生にも魅力を与えるエッセンスとなります。

 

出典: 受験ナビ