帰国入試って何?


 

平成26年度の調査では、全世界での帰国子女数は76536人。そのうち、小学生で帰国する子供がおよそ10%。正確な統計はありませんが、毎年1000人前後、受験学年の小学生が帰国していることになります。このうち受験をする子、しない子と分かれたうち、首都圏では毎年500~600人の帰国子女受験生がいるといわれています。これらの子供たちは、どのような受験を経て、中学そして高校へと進んでいくのでしょうか。

 

まず始めに、受験において帰国子女枠(以降、帰国入試)とはいったいどのようなものなのでしょうか。

海外子女が日本へ帰国し進学する際には、

「帰国先の学区の公立校へ進む」

「国内生と同じ一般入試をする」

「帰国子女枠を利用した帰国入試をする」

という選択肢があります。この帰国受験について考えてみたいと思います。

 

 帰国入試とは、日本の教育課程で勉強できない子供に、別枠で入試を行うものです。平たく言えば、「海外の学校(特に現地校)で勉強していたら日本の勉強には不利があるから、一般入試よりハードルを下げますよ。その代わりしっかり自分を磨いておいてくださいね。」というものです。

 

具体的な入試科目は「英・国・算」「国・算」もしくは「英語のみ」というように、理科・社会は課されないのが一般的です。そして、ほとんどの学校で面接試験が課されます。入学後は学校によりけりですが、帰国生クラスを編成し、一般とはやや違ったカリキュラムで勉強をしていきます。

 

では、帰国入試とは実際にどのような意義があるのでしょう。

 

帰国入試をする理由は個々様々ですが、海外のご家庭ではどのように帰国生の進学先を選んでいるのでしょうか。大きくわけて、

 

・同じ帰国生がいる環境で勉強をさせたい

・身につけた外国語(特に英語)を今後に活かしていきたい

・一般入試をするには勉強教科が追いつかない

 

などが考えられます。

 

海外経験が長ければ長いほど、子供は「外国人」になっていきます。当然日本で育った子どもとは、文化や生活の面ですれ違うこともあるでしょう。ネガティブな話ですが、いわゆる「浮いてしまう」こともしばしばです。その点、帰国生のみで編成したクラスは、周りの子と価値観も共有でき、ストレスのない環境だといえるでしょう。

また、せっかく英語を習得してきたのに、授業が「ABC」から始まることに疑問を感じることも理解できます。(それでも学ぶことはとても多いのですが)

逆に、高い英語力、またそれに通じる語学力を持った子供達であれば、理科・社会の遅れを補って余りある勉強が出来ると期待ができます。

 

まずは子供の現状や適性、そして今後をしっかりと考え目標を設定し、それに向かって勉強していきましょう。

ただし、「子供にどうなって欲しいか」だけでなく、「子供自身がどうなりたいか」が大切であることをお忘れなく。

 

出典: 帰国子女理系インターネット塾 VARTEX EDUCATIONS