帰国子女に対応した学校の特色を知る意義


 

帰国子女として学校に入学したとしても、その後の教育でつまずいてしまっては、せっかくの海外生活を棒に振ってしまうことが懸念されます。無駄な時間はないといえるほどの充実が成される環境に身を置くことは、帰国子女として最高の環境でもあります。

 

人間関係に対しても、今までと同じように密なコミュニケーションを取ることによって、新たな関係性を楽しむことができるようになります。しかし、学力が伴わなければ、人間関係を形成する余裕がなくなってしまいます。

 

落ち着いた毎日を過ごすためにも、基礎学力の向上を図ることは必須です。しかし、自己流の学習でどれだけの成果があるかを考察すると、不足している点がどんどん上がってしまうほどの不完全さが目立ってしまいます。

 

多感な時期に学習の実に専念することは現実的ではありませんが、攻めて集中的に日本の教育に適応させるだけの追い込みは、帰国子女が日本の学校に通う努力としては求められます。

 

習っていないからできないというのは通用しないからこそ、成績を残して高い評価を受け、次のステップに進めるためのメリットを得ることが、学校生活を充実させるエッセンスになるのです。

 

何度でも反復学習が繰り返される学習塾では、わからないところを丁寧にケアするというスタイルが一般的です。魅力的な学力を身につけるためにも、多くのエッセンスを手にすることによって、これからの生活に対する魅力を彩ることが、子どものみならず家族全体の生活の質向上へと繋がります。

 

楽しむというスタイルを手にするためにも、相応の努力が必要になります。十分な魅力を手にすることができると、これからの生活に足りない点を補てんしながら、学習を楽しむ余裕さえもかなえられます。

 

今までと生活スタイルが異なる日本において、以前のスキルを発揮することができるような環境に身を置くことができるようになれば、生活の質という観点からの充実感も、学習意欲にプラスの効果を与えることは間違いありません。

 

次のステップに円滑な意向を望むのであれば、学習塾や家庭教師という環境を上手に活用しながら、個人のスキルを継続的にアップさせる努力は必要です。日本で受けていない教育内容が発見された場合においても、十分な理解が得られるまでのスキルアップが図れるのは、後々の大きな財産になります。

 

新たな生活に移行することがかなえられるだけでなく、自分自身のスキルアップにも大きな効果が見込まれる帰国子女としての環境移行は、新たな門出として最適です。それが、帰国子女の特色を知る意義でもあるのです。

 

出典: 受験ナビ

 

 


世界的な長引く不況の中でも、今この瞬間も、日本から遠く離れた世界中のいたるところで、多くの日本人が活躍をしています。国情や文化の異なった国々で仕事をするご苦労、同時に、そんなお父様をサポートするご家族の気遣い、心配り・・・どれもこれも並大抵のものではありません。

 

特にまだ幼い子どもと一緒の海外赴任生活は、気候や風土の違いからくる病気への注意や、安全に暮らすための対策などの基本的な配慮は言うまでもなく、帰国後の子どもの教育についてのご心配やご不安は、非常に大きいものだと感じています。 

そんな状況のもと、もし、帰国後に私立小学校受験を、お考えであれば、どうぞ以下の3点にポイントを起いてお考え下さい。

 

 

第一点 学校選びは非常に大切です

さまざまな項目でも触れていますが、私立小学校受験の場合、知能テスト的な考査の結果のみで合否を判断されるものではありません。このことに関しては、「子どもの個性」と「家族の色合い」で詳しく触れていますので、是非、その項目をご一読ください。

小学校受験の場合は中学受験や高校受験の場合とは違い、選抜の判断には関しては、「ご家庭、ご両親の雰囲気」等、数値では表すことのできない「プラスアルファ」が大きくかかわってきす。ある意味では、子どもの知能的な能力以上に注目される点であるのです。そういう意味では、現在、有利とか不利とかそういう観点からではなく、現在、ご家庭が海外生活をされている、ということも、大きな要素になるでしょう。

ではここで、どうして「ご家庭、ご両親の雰囲気」などを学校側が問うのか?ということを考えてみましょう。

 

* 学校が子どもの人格形成の上で求めているものと、ご両親がわが子に求めているものが同じであるかどうか?

 

* 学校と家庭が、子どもの教育に関して、同じ方向に向いているか?

 

* 一人の人間を育てるにあたり、家庭と学校が同じ価値観を持って、子どもを育てようとしているか?

 

* 伝統に培われた各学校の空気、雰囲気をこの上なく「善」としてその家庭が受け入れ、家庭や両親、子どもも同じ空気を持っているかどうか?

 

こういうことがきちんとクリアされ、同時に、子どもに年齢相応(と各学校が考える)さまざまな力が備わっていて、そこで初めて学校との縁が生まれるのです。それが、合格、ですね。

 

ここで、大切になってくるのが「学校選び」です。どんなにご両親のイメージの中で○○校がいい!と思い込み、憧れたとしても、その学校の目指すものと、ご家庭の目指すものが実際には大きく違っていたり、面接等で先生方がそのご家族と会った時、瞬時に「何か違う・・・どうも我が校の父兄としては相応しくない」という感情が生まれた場合には、残念ながら、そこには「縁」は生まれないでしょう。

 

たとえば、ここに2つの会社「A」「B」があるとしましょう。2つの会社は、同じものを扱い、社員数、規模もほぼ同じです。しかし、本社の場所、商談の進め方、社員の醸し出す雰囲気は、2社はきっと同じではないはずですね。なぜなら、その会社の創業当時からの理念、経営方針、それに伴う社員教育が違うからだと思います。

では、病院ではどうでしょうか?2つの病院は、どちらも全科の整った総合病院。ドクターの数、看護師の数、入院可能なベッド数も同じです。けれど、救急を扱うのか?内科中心にするのか?外科的な手術を多く手掛けるのか?郊外の住宅地で、高齢者を含む患者を診ることを目的にしているのか?などなど・・・それによって、2つの病院の体質は大きく違ってくるでしょう。「C」「D」どちらも、患者に医療を提供し、疾患の治療をする、という基本点では同じものなのに・・・です。

「A」に好感を持つ取引先もあれば、「A」を嫌い「B」を良しとする取引先もあるでしょう。次に受診するなら「C」ではなく「D」にしようと思う患者もいるでしょうね。

まさに私立小学校も同じです。

小学校は、子どもに初等教育を施すという役割は同じでも、教育に対する理念の違い、使う教科書や教え方、そこで教える先生のタイプ、子どもに求めるもの・・・違うのです。言い方を変えれば、私立小学校の場合は、「違って良い」のです。横一列、横並びでなければならない公立校とは違い、私立校の場合は、基本的なものさえクリアしていれば、いろいろなことは「違って良い」わけですし、「違うからこそ選ばれる」のです。

 

このようなことから、各家庭に合った学校をしっかり選ぶために、私は「なるべく多くの学校に実際に足を運んで、ご自分達の五感で、学校を感じてください」とお話をしています。

しかし、海外においでになる場合、当然、簡単には学校には足は運べませんね。けれど、海外にいるから、学校に足を運ぶことは出来ない、と決めつけず、是非ぜひ、一時帰国の期間を利用して、最低限、学校説明会には行ってください。学校説明会が無理だとしても、運動会やバザー等の行事があれば、そういうものに参加するのも良いでしょう。幸い、現在はインターネットの時代ですから、見学可能な行事等、さまざまな情報は学校のホームページに記載されているはずです。

そして、「学校案内」や「学校要覧」をしっかりと見ること。 その内容にじっくりと目を通すだけで、案外、学校の持つ「雰囲気」も伝わってきますよ。そして、一時帰国をされた時には、わが子によいのでは?と思う学校の「登下校の時間」にでも行ってみましょう。目の前の生徒から、きっと、学校案内や学校要覧の字面からは見えなかったものを、感じられるはずです。

 

出典: 私立小学校受験 幼児教室マナーズ