帰国入試の手順


帰国生入試を実施している学校選びの手順とポイント

しかし、数撃てば当たるものではありませんし、最終的にお子さんが通うのは1校なのですから、無駄のないよう、かつ悔いのないように学校を選択したいものです。

 

●学力を客観的に測る

最初にしなければならないのは、学力を客観的に測ることです。特に英語は、「できる」と言ってもどの程度なのか。英検など指標となるテストを受けているならその点はクリアです。逆に、帰国子女ではあるけれど、英語が受験レベルに達していないということもあるので、この場合はなんらかの対策が必要です。

これにプラスして、他の教科の学力も知っておくことが必要です。理科や社会は遅れているのか、あるいは、現地校に加えて塾などに通って補強していたなら、現時点でレベルはどの程度かなどを知っておきます。

さらに、国語(日本語)の学力も重要です。ほとんどの学校において、試験科目か作文のどちらかで日本語が必要だからです。日本語の感覚が確立する前に海外に渡った帰国子女の場合は十分な準備が必要となります。

 

●出願資格をチェックする

次に、「海外在留期間」及び「帰国後の年数」を確認しておきます。受験候補校を絞り込む際、その学校の出願資格と照らし合わせ、適合しない場合は候補から外します。ただ、誤差がわずかである場合、融通がきく可能性もあるので、直接学校に確かめてみるとよいでしょう。

 

●試験科目数を確認する

一般入試に先立って実施される帰国生入試では、1科から3科の筆記試験と、作文や面接が加わる学校が多く見られます。面接は保護者同伴のケースもあり、参考程度とする学校からきわめて重視する学校までさまざまです。また、一般入試と同時に行われる帰国生入試では2科・4科から選択できるところもあれば、4科必須のところもあります。

 

●中学に何を求めるか

中学入学後、どんな対応をしてほしいのか、考えをまとめておきます。英語力を伸ばしたいのであれば、帰国生のみのクラスを設けているところ、あるいは英語の授業だけは帰国生のみで行っている学校をめざす選択もあります。英語力維持や、弱い科目の教科のためにどんな施策を行っているかも事前に知っておきたいものです。

以上のことを考慮して、受験対象となり得る学校をリストアップしてみましょう。あとは、試験の日程を考えながら絞り込んでいきます。候補校が多い場合には、リストを見渡し、候補校があまりにバラエティに富みすぎていないか振り返ります。共学校か否か、進学校か付属校か、で大まかな方向性を決めておくとよいでしょう。

また、通学時間・通学経路に不安があるものは早めに候補からはずします。

 

 

 

 

条件が整わなければ高校進学時の帰国生入試も

帰国のタイミングが出願資格と合わないとか、学習面での準備が間に合わないなどといった場合、無理に中学進学に合わせて帰国せず、高校進学時に帰国生入試を受けると言う選択肢もあります。3年間あれば、英語に十分、磨きをかけておくことができますし、中学での入試より比較的容易に入れる学校もあるようです。しかし、ひとまず中学進学の段階で入試情報を集め、受験の準備を進めることは、高校入試を考える際にも無駄にはなりません。

 

出典: 朝日新聞デジタル