帰国入試のメリットデメリット


帰国生入試を行っている学校を見ると、英語圏からの帰国生をターゲットとにしている学校が多く見受けられます。

現状における北米の日本人児童(生徒数)は、義務教育年齢のみで約20,218人(平成18年外務省調査)である。全日制の日本人学校はニューヨークとシカゴの2地域にしかないため、そのうちの97%以上は、現地校に在籍し、英語で学校教育を受けているのが現状です。  

関東圏で帰国子女入試を行っているのは、慶応湘南藤沢、攻玉社、洗足学園、渋谷教育学園幕張等、約54校が行っています。  

 

では、中学入試において帰国子女入試を行うメリットはどのようなメリットがあるのでしょうか。

一般的に、北米の現地小学校で4~5年学んだ子供たちは、英検2級~準1級に合格するのは充分に可能と言われています。その子供たちを6年間の指導を通して国公立大学や早慶などの上位大学に合格させることは充分に可能だと考えます。 現在、日本の大学入試は英語力の高い受験生に非常に有利になってきていると思います。センター試験においてもリスニングテストが導入されているように、この部分一つとっても有利に働いています。 特に、最近では、世界で活躍できる人材育成の必要性が強く叫ばれ、国際化に向けた具体的な検討が各方面で行われています。

こういった状況下の中、早稲田大学においては、国際化に向けた具体策として、海外からの留学生受け入れ枠を広げ、多くの留学生を受け入れ始めたと言うことも事実です。今後も英語力の高い生徒に対してのニーズは益々高まると考えます。 

 

さて、デメリットですが、帰国子女入試を行うことによって、一般入試で入学してきた生徒とは別学級で学ぶことになります。(一般クラスで学ばせる学校も勿論あります。)

そのために発生する負担は、教職員においては、多くのネイティブを採用しなくてはならないことも一つとして挙げられます。ある学校では、10名以上のネイティブを採用して現状を維持しています。人件費だけでも年間1億円以上かかると言うことです。そのほかにも、様々な負担がかかってくるということも事実です。確かに出口実績は期待できますが、それ以上に目に見えない負担もあるということを忘れないで下さい。もし、今後帰国子女入試を考えているのであれば、自校に合ったやり方(決して無理をしないで)を学内で充分に検討してから、行うことをお勧めします。

 

出典: 私学マネジメント協会