帰国の準備のために


滞在時からの準備

情報収集

滞在中に早めにしておきたい準備の筆頭が、志望校の選定だ。受ける試験が入学試験にせよ、編入学試験にせよ、子どもに合った学校を子どもと一緒にリストアップしておくことは、保護者の大切な役割だろう。

 

【代表的な志望校の探し方】

・インターネットで総合&学校独自のサイトを閲覧。

・海外から受験関連の情報誌を入手。

・海外にある「日本の受験塾」で情報を入手。

・海外の大都市をメインにして行われる、日本の学校の(合同)説明会に参加。

・一時帰国などを利用して、日本で行われる「学校説明会」や「入試説明会」に参加。

・一時帰国時などに、文化祭などの学校行事を見学。

・各学校に直接電話やメールで問い合わせる。

 

 

 

学習の準備

<教科試験>

対策は、選考方法に沿って行うのが効率的だ。

 

●入学試験

帰国生試験専用に、「国語」、「算数」(理科、社会)が出題される場合、問題の多くや合格基準は「一般入試の基礎的なレベル」だ。それを念頭に置き、学習を進めておきたい。  “一般とほぼ同一”で実施・選考されるなら、国内生と同様、通信教育や進学塾を活用するなど、さらなる対策が必要だ。  「外国語(英語)」が出題される場合は、概してレベルが高い。入手できれば過去問題や高校の参考書を使って学習を進めるのも手だ。また、教科試験が「外国語(英語)のみ」であれば、難易度はさらに高い。外国語能力試験などの問題集で、文法、語彙、読解力、文章作成能力などを強化しておく。

 

●編入学試験

基本的には入学試験と同じ対策で良いだろう。ただし、「試験直前の学期」で履修した範囲から出題されることが多いため、あらかじめ志望校の進度を確認しておきたい(私立校は総じて進度が早い)。「算数」が「数学」に変わることにも注意。

 

<作文>

使用言語は「日本語」または「外国語(英語)」。「外国語(英語)」の場合に注意すべきなのは、口語英語の力だけでは不十分ということ。文法や文章表現としての語彙はしっかり見られる。問題意識を持って自らの考えを決まった文字で記述する力をつけることも大切だ。

 

出典: 帰国便利帳web

 

 


腕試しにもなる帰国生入試情報は自分で集めて判断を

帰国生対象の試験は、一般入試より早い次期に実施されることが多く、自分のレベルを判断するのに役立つほか、腕試しや場慣れの機会にもなります。いずれにせよ、利用できる機会は利用するにこしたことはありません。

ただし、第一志望校だけは明確に定め、そこに照準を当てた準備をしていくことが大切です。

帰国生の受験を成功させるためには、できるだけ早くから準備すること、保護者と本人の意思を統一しておくこと、保護者間で役割分担を決めておくことが不可欠です。また、情報の見極めも大切です。ウワサや昔のイメージで学校を判断するのは危険。足を運び、直接、見聞きした情報をもとに判断するべきです。

 

出典: 朝日新聞デジタル

 

 


★アメリカ滞在中に英語を得意科目に 

国語はハンデの克服を

合格おめでとうございます。帰国後の学校が帰国前に決まるという、大半の保護者にとってはうらやましい結果も、本人とご両親の努力の賜物です。 

さて、入学するのが中学か高校か、学校の形態、また入学後のカリキュラムの違いにより、進学後の勉学・適応のための準備が異なってきます。代表的なケースについて、考えてみましょう。 

 

★進学校のスタイル 

①中高一貫校の中学入学 

大学進学で実績を上げている有名進学校の大半は、中高6年の一貫教育を行っています。その目的は、中高6年間の学習内容を4~5年で済ませて、余裕の出た時間を大学入試受験のトレーニングや特訓に充てるためです。少なくとも高校3年の1年間を予備校同様の受験勉強に費やし、他校に差をつけるのです。 

このような学校に中学1年生として入学した場合、国内から入学する子供たちと同時に勉強をスタートし、新しい教科や内容を第1歩から学びます。大学進学まで6年間と時間的な余裕もありますので、学校で与えられる学習内容を指導に従って学んでいけば、学習面でも生活面でも、適応には大きな問題は少ないでしょう。 

 

②中高一貫校の高校入学 

中高一貫校への高校からの入学生が、それまでの中学3年間で高校の勉強の一部を先取りしてきた同級生と、同じカリキュラムで勉強をすることは不可能です。そのため、高校からの入学者には別のカリキュラムが用意されていて、1日も早く同級生の学習進度に追いつくための厳しい勉強が要求されます。 

 

③高校のみの進学校への入学 

高校3年間のカリキュラムの学習と並行して、大学受験準備を進めていきます。一部の公立進学校では、教科学習の中に受験の内容を組み込んだり、補習授業を行って、不足する学習時間を確保したりするなど、積極的な指導をしています。しかし、学校によっては①や②の学校の生徒と同じレベルの大学を狙う際には、1年くらいの浪人を覚悟する必要があります。 

 

以上、進学校での勉強の違いを簡単にまとめてみました。どのタイプの学校であっても、「入学後、勉強についていけるかしら?」と不安は大きいとは思います。しかし、たとえその学校の指導が厳しいものであっても、指導に当たる先生方が、「この子はわが校の勉学についていける」と判断したから「合格」としたのです。必要以上の心配は無用です。 

 

★帰国に向けた準備 

次に簡単に、入学後の学習のために、海外でできる準備を、大切なものから順に紹介しましょう。 

 

■英語 

アメリカ滞在の残された日々を、英語の学習に全力を傾けてください。現地校はもちろんのこと、日本人学校に通っていたとしても、英語学習では帰国後に比べて恵まれた環境にあります。最近の日本での英語学習はコミュニケーションが強調されていて、聞く・話す能力が重要視されています。大学入学のためのセンター試験に英語のリスニング試験が導入されたことからも、そのことがはっきりと分かります。海外で身につけた「宝」である英語力を、大学受験でも得意科目にできるようにしてください。また、帰国後も「ネイティブ」のレベルでの英語学習の継続を忘れないようにしてください。 

 

■国語 

毎日日本語に接している日本国内の生徒に比べて、海外で生活する子供たちが、総合的な日本語力でハンデを抱えているのは当然です。単純ですが、漢字の練習、日本語での読書、日本語の文章の書き写しなどをスタートして、日本語環境の充実を試みてください。 

 

■算数・数学 

現地校や日本人学校での算数・数学の学習で、学習内容の理解が十分できていても、日本国内の生徒と大きな差があるのは問題練習の量で、それは計算の速さに典型的に現れてきます。最近は、海外在住の合格者に宿題や課題を出す学校も出てきました。学校に問い合わせて、事前学習のアドバイスを求めてはいかがでしょう。 

 

★帰国後の適応 

最後に、日本帰国後の適応についてひと言。日本の有名進学校と現地校・日本人学校では、勉強はもちろんのこと、学校の「文化」が大きく異なります。「アメリカに到着した時と同じように、帰国後も子供の生活や勉強の変化に十分目を向ける」ということが、最も大切です。それが異文化適応の基本です。

 

出典: アメリカ現地発!知っておきたい生活情報&おすすめ観光情報サイト